新築で木造が多いのはなぜか|おすすめなケースや注意点を解説
新築住宅を建てる際には、建物の構造選びが重要です。
日本では「木造住宅」が多数を占めていますが、メリットや他の構造との違いを知らないという方は意外に多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、木造住宅の種類やメリット・デメリットについてくわしくご紹介していきます。
新築住宅でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
新築に木造が多いのはなぜ?
国土交通省によると、日本の新築住宅は約88.4%が木造住宅となっています。
新築住宅に木造が多い理由は、コストの低さや建築のしやすさ、法制度の後押しがあるためです。
木造は鉄骨や鉄筋コンクリートに比べて材料費・施工費が安く、工期も短縮しやすいのが特徴です。
そして環境面でも木造は再生可能資源として注目されており、脱炭素社会への対応にもつながっています。
「炭素固定」という観点から、木造建築物の着工数は今後も広がっていくことが予想されます。
【参考】国土交通省「新築建築物に占める木造建築物の割合(R5年度着工・床面積)」
木造住宅の種類
ここでは、主な木造住宅の種類について解説します。
工務店やハウスメーカーによって対応している工法の種類が異なるので、新築計画前に違いを理解しておいた方が計画を進めやすくなります。
在来軸組工法
在来軸組工法は、日本で最も一般的な木造住宅の工法です。
柱と梁で建物を構成し、筋交いや金物などで耐力を確保する「軸組構造」となっています。
設計の自由度が高く、間取りの変更や増改築が比較的しやすい点が大きなメリットです。
また敷地形状や好みに合わせた柔軟なプランが可能なため、注文住宅で多く採用されています。
一方で施工技術によって品質に差が出やすく、工期が長めになる傾向もあります。
大工の技術に支えられた工法であり、地域密着型の工務店が得意とするケースが多いのも特徴です。
壁式工法(2×4)
壁式工法(2×4ツーバイフォー)工法は北米から伝わった木造建築の手法で、工場でプレカットされた材料を使うため品質が安定しやすく工期も短く抑えられるのが特徴です。
2インチ×4インチの規格材を使って床・壁・天井の6面体で建物を構成することにより、高い耐震性と気密性・断熱性を発揮します。
ただし構造上開口部や間取りの自由度はやや低く、大きなリフォームや間取り変更が難しい面もあります。
ハウスメーカーなどが多く採用しており、規格化された効率的な建築が可能です。
木造住宅のデメリット・注意点
ここでは、木造住宅のデメリットや注意点について解説します。
シロアリ対策が必要
木造住宅は構造材に木を使用しているため、シロアリ被害のリスクがあります。
とくに床下や湿気の多い場所は要注意で、被害を防ぐためには、防蟻処理や定期的な点検が欠かせません。
基礎部分の換気や、土壌からの湿気対策も重要です。
新築時にしっかりと対策しておくことで、長期的な安心につながります。
耐用年数が短い
木造住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて耐用年数が短い傾向があります。
法定耐用年数は22年とされており、メンテナンスを怠ると劣化が早まることもあります。
ただし適切な修繕・点検をすれば、実際には50年以上住み続けられるケースが多いようです。
長く住むためには、定期的な維持管理が重要です。
品質にばらつきが出る場合も
木造住宅は職人の手作業に頼る部分が多く、施工の精度によって品質に差が出やすい点があります。
とくに在来工法では、大工の技術力が仕上がりや耐久性に大きく影響します。
そのため信頼できる施工会社を選ぶことが、品質確保の大きなポイントです。
木造住宅のメリット
木造住宅にはデメリットがある一方でメリットも多く、根強く人気があります。
コストが安い
木造住宅は鉄骨造やRC造に比べて材料費や施工費が安く、全体的な建築コストを抑えられます。
また工期も短く済むため、仮住まい費用なども軽減できるのがメリットです。
これにより住宅ローンの負担が少なく済む点も、初めて家を建てる方にとって人気のポイントです。
耐火性に優れる
意外に思われがちですが、木造でも適切に設計・施工された住宅は耐火性能を確保できます。
木材は表面が炭化することで内部への燃焼を遅らせる性質があり、急激な崩壊を防げるのが強みです。
さらに防火処理された構造材や、耐火性能のある石膏ボードを組み合わせることで、火災時の安全性を高められます。
調湿効果が高い
木材には湿気を吸収・放出する性質があり、室内の湿度を適度に保つ調湿効果があります。
これにより夏のジメジメ感や冬の乾燥を和らげ、快適な室内環境を実現できるのがメリットです。
とくに自然素材の内装材を使用すれば、露やカビの発生も抑えやすくなり、健康的な暮らしに貢献します。
間取りの自由度が高い
在来軸組工法の木造住宅は柱と梁で構造を支えるため、間取りの変更や増改築がしやすいというメリットがあります。
ライフスタイルの変化に応じて柔軟にリフォームができるので、長く快適に暮らせます。
敷地や希望に合わせて自由な設計が可能なのも、大きな魅力です。
地盤改良がしやすい
木造住宅は構造材が軽いため建物にかかる荷重が小さく、地盤への負担も少なく済みます。
そのため地盤が弱いエリアでも大規模な地盤改良が不要なケースが多く、建築コストを抑えることが可能です。
ナチュラルな風合いを楽しめる
木造住宅は、木ならではのあたたかみや自然の風合いを楽しめる点が魅力です。
無垢材や木目の見える仕上げを活かせば経年変化も味わいとして楽しめて、居心地の良い空間を構築できます。
見た目のやさしさや癒し効果は、自然素材ならではの大きな価値です。
環境負荷を軽減できる
木材は再生可能な資源であり製造時のエネルギー消費が少ないため、鉄やコンクリートよりも環境負荷が少ないとされています。
また木は炭素を固定する性質があるため、温暖化対策にも貢献できるのがメリットです。
補助金を活用できる場合も
木造住宅は、地域型住宅グリーン化事業や省エネ住宅促進の補助金といった国や自治体の支援を受けやすい傾向があります。
条件を満たせば数十万円以上の補助を受けられることもあり、資金計画の面で大きな助けになります。
ただしお住まいの地域等によって実施されている補助金制度が異なるので、新築前に活用できる制度を調べておきましょう。
木造住宅がおすすめなケース
ここでは、木造住宅がおすすめなケースを紹介します。
将来リフォームする可能性がある場合
将来的に間取り変更や増築を検討している場合、木造住宅がおすすめです。
とくに在来軸組工法は柱と梁で構成されており、壁の移動や開口の追加が比較的容易に行えます。
ライフステージの変化に合わせて柔軟に対応できるため、長く快適に住み続けたい方に適しています。
地球環境保護に貢献したい場合
環境への配慮を重視する方にも、木造住宅がおすすめです。
木材は再生可能な資源であり、伐採後に再植林が可能です。
また木は成長過程で二酸化炭素を吸収・固定するため、建物に使うことで炭素を長期間貯蔵できます。
製造時のCO₂排出量も少なく、脱炭素社会の実現に貢献する持続可能な選択となります。
建設費を抑えて内装にこだわりたい場合
木造住宅は構造材や施工費が比較的安いため、浮いたコストを無垢材の床や造作家具、自然素材の壁材など、内装の質に充てられます。
理想の空間を手の届く価格でかなえやすいのも、木造の大きな魅力です。
まとめ
木造住宅はコスト面や設計の自由度、環境への配慮など多くのメリットがあり、日本の住宅市場で根強い人気を誇ります。
シロアリ対策や耐久性への注意は必要ですが、適切な施工と維持管理で快適に長く住むことが可能です。
将来のリフォームや予算配分の柔軟性、自然素材の魅力を重視する方にはとくにおすすめです。
住宅の選択肢として木造の特性を理解し、ライフスタイルに合った住まいを計画しましょう。
もし新築計画についてお悩みの場合は、ぜひ専門業者に相談してみてください。
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